Piezo-ICSIの導入
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2019.04.12
院長です。
当院では、Piezo-ICSIと呼ばれる技術/機器を、この4月より全面的に導入いたしました。
従来の顕微授精(ICSI)は、インジェクションピペットと呼ばれる先端の鋭いピペットで、卵子の周囲にある透明体(卵の殻と思ってもらえば結構です)や細胞膜を物理的に貫通し、精子を卵子内に注入していました。
この度、導入したのが、Piezo-ICSIと呼ばれる技術です。
ピエゾ素子と呼ばれる、電圧を力に変える素子によって生じたピペット先端の振動により透明体や細胞膜に穴をあけることで、従来のICSIよりも卵子へのダメージが少ないとされています。
これまでの機器はセッティングが難しいなど不安定なところがあったのですが、使われる機器が改善され、安定して使用できるようになったと判断し、今回、当院に導入することとなりました。
また、これまでのICSI(顕微授精)の技術は言わば職人技的な要素が大きかったのですが、このPiezo-ICSIでは施行者の手技にそれほど左右されず、技術の習得も早いとされています。
当院では、常に最先端の技術について情報を集め、検討し、診療に取り入れてきています。それらについてはおいおいまたこのコラムでもご紹介させていただきたいと思っています。